

家計を見直したいと思っても、毎日レシートを整理したり、細かく家計簿をつけたりするのは大変です。
最初はやる気があっても、仕事や家事、子育てで忙しい日が続くと、数日分の記録がたまります。そのまま家計簿を開かなくなり、自分には家計管理が向いていないと感じてしまう方もいるでしょう。
ただ、家計管理は、すべての支出を1円単位で記録することではありません。
毎月どのくらい入ってきて、何にいくら使い、最後にいくら残っているのか。それが大まかに分かれば、家計を整えるための材料になります。
この記事では、世田谷区で暮らす方に向けて、細かく管理しすぎず、無理なく続けやすい家計の見直し方法を紹介します。
家計管理の目的は我慢することではない
家計管理というと、外食や買い物を我慢し、少しでも支出を減らすことだと思われがちです。
もちろん、使いすぎている部分があれば見直しは必要です。ただ、何でも削ればよいわけではありません。
食費を抑えようとして毎日の負担が増えたり、家族の楽しみをすべてなくしたりすると、長く続けるのは難しくなります。
家計管理の目的は、必要な支払いを無理なく続けながら、自分や家族が大切にしたいことへお金を使えるようにすることです。
まずは「何を減らすか」ではなく、次のような目的を一つ決めてみましょう。
毎月の赤字をなくしたい
急な出費に備えたい
旅行や引越しのお金をためたい
子どもの教育費を準備したい
老後のために少しずつ積み立てたい
クレジットカードの支払いを分かりやすくしたい
目的が決まると、家計簿をつけること自体が目標になりにくくなります。
最初は3か月分の明細を見るだけでよい
家計を整えるために、今日からすべての支出を記録し始める必要はありません。
まずは、直近3か月ほどの銀行口座とクレジットカード、電子マネーの明細を見てみましょう。
確認したいのは、細かな買い物より次のような支出です。
家賃や住宅ローン
管理費や駐車場代
電気、ガス、水道
通信費
保険料
教育費や習い事
定額制サービス
ローンや分割払い
毎月のクレジットカード請求額
通帳とカードの明細を見るだけでも、毎月ほぼ同じ金額が出ていく支出は把握できます。
金融庁も、家計管理と将来を見据えた生活設計を、暮らしに必要な基本的な金融知識として案内しています。また、毎日の記録が難しい場合は、家計簿アプリや通帳、カード明細を使って、まず収支を把握する方法も紹介されています。
最初から完璧にやろうとせず、今のお金の流れを眺めるところから始めてみてください。
支出は細かく分けすぎない
家計簿が続かない理由の一つに、分類の細かさがあります。
スーパーで食材と洗剤を一緒に買ったとき、それぞれを食費と日用品費に分ける作業は意外と手間です。
細かな分析が必要でなければ、支出は次のように大きく分けるだけでも十分です。
住まい
生活
子ども
移動
楽しみ
貯蓄と返済
スーパーで買ったものはまとめて「生活」に入れる、外食や趣味は「楽しみ」に入れるなど、自分が分かる分類にしましょう。
大切なのは、分類を正確にすることより、家計全体を途中で見なくならないことです。
固定費と変動費を分けて考える
支出は、毎月ほぼ決まって出ていく固定費と、使い方によって変わる変動費に分けると見直しやすくなります。
固定費には、家賃や住宅ローン、通信費、保険料、習い事、定額制サービスなどがあります。
変動費には、食費、日用品、外食、交際費、衣服、レジャー費などがあります。
毎日の食費を少しずつ減らすより、使っていない定額制サービスや、今の生活に合わなくなった保険を見直すほうが、負担を感じずに支出を減らせる場合があります。
ただし、固定費の見直しには注意も必要です。
通信契約の解約料、保険の保障内容、習い事の退会期限などを確認せずに手続きすると、かえって困ることがあります。
金額だけを見てすぐ解約せず、サービス内容や条件を確認してから決めましょう。
世田谷区では住居費と移動費を一緒に見る
世田谷区内は、駅に近い地域もあれば、バスや自転車を使うことが多い地域もあります。
駅から近い住宅は家賃が高くても、車を持たずに暮らせる場合があります。一方、駅から離れた住宅は家賃を抑えられても、バス代や駐輪場代、車の維持費が増えることがあります。
住居費だけ、交通費だけと分けて見るのではなく、毎日の移動を含めた合計額で考えてみましょう。
たとえば、次のような費用です。
家賃や住宅ローン
管理費
駐車場代
ガソリン代
自動車保険
車検や税金の積み立て
電車やバスの定期代
駅前の駐輪場代
シェアサイクルやカーシェアの利用料
車を手放せば必ず得になるわけでも、駅の近くへ引越せば必ず家計が楽になるわけでもありません。
金額と移動時間、家族の負担を合わせて考えることが大切です。
毎月ではない支出を忘れない
家計簿上は黒字なのに、なぜか貯金が増えない。その場合、毎月ではない支出が抜けていることがあります。
賃貸住宅の更新料
固定資産税
自動車税や車検
保険料の年払い
学校の教材費や行事費
帰省や旅行
誕生日やクリスマス
冠婚葬祭
家電の買い替え
歯科治療や健康診断
こうした支出は、特別費として別に管理すると分かりやすくなります。
過去1年間の通帳やカード明細を見て、年に一度かかる支出を書き出してみましょう。その合計を12で割り、毎月少しずつ分けておくと、支払う月に慌てにくくなります。
正確な金額が分からないものは、おおよそで構いません。
「毎月ではないけれど、そのうち必要になるお金」を家計に入れておくだけでも、実際の収支に近づきます。
食費は月より週で考えると分かりやすい
食費や日用品費は、1か月単位で管理すると、月の後半になってから使いすぎに気づくことがあります。
月の予算を4週または5週に分け、1週間に使える金額を決めると調整しやすくなります。
週の途中で少し使いすぎたら、次の買い物で控える。余ったら翌週へ回す。そのくらいの緩さで十分です。
世田谷区内には駅前のスーパーや商店街、大型店、ドラッグストアなどがありますが、どこで買えば必ず安いとは限りません。
安い店を何軒も回るために時間や交通費を使うより、普段使う店をある程度決めたほうが、結果として負担が少ないこともあります。
買い物前に冷蔵庫の中を見る、週に一度は家にあるもので作る、といった小さな工夫のほうが続けやすいでしょう。
支払い方法を増やしすぎない
現金、クレジットカード、電子マネー、コード決済など、支払い方法が増えると、家計全体が見えにくくなることがあります。
ポイントをためるために使い分けていても、どこからいくら引き落とされるのか分からなくなると、管理の負担が増えます。
よく使う支払い方法を一つか二つに絞ると、明細を見るだけで支出を把握しやすくなります。
ただし、すべてをクレジットカードにまとめる場合は、引き落とし日まで時間が空くことに注意が必要です。
口座残高が多く見えても、その中には翌月のカード代が含まれています。カードで使った金額を家計簿アプリで確認するか、使った分を別口座へ移すなど、自分が分かりやすい方法を決めておきましょう。
ポイントを多くもらうことより、使った金額が分かることを優先したほうが、家計は整いやすくなります。
口座の役割を分ける
一つの口座ですべてを管理していると、口座に入っているお金をどこまで使ってよいのか分かりにくくなります。
必要に応じて、口座を役割別に分けてみましょう。
給与が入り、固定費を払う口座
日常の生活費に使う口座
貯蓄する口座
年払いなどの特別費をためる口座
たくさん作る必要はありません。生活用と貯蓄用の二つに分けるだけでも違います。
給料が入ったら、一定額を貯蓄口座へ自動で移す仕組みにすると、残った金額で生活しやすくなります。
J-FLECも、給料が入った時点で一定額を分け、残りで生活する「先取り貯蓄」を、貯蓄を続ける方法の一つとして紹介しています。
ただし、最初から大きな金額を設定すると、生活費が足りずに貯蓄口座から戻すことになります。まずは無理なく続けられる小さな金額から始めましょう。
家計簿アプリは合わなければ使わなくてよい
銀行口座やクレジットカードと連携できる家計簿アプリは便利です。自動で支出を記録できるため、手書きより負担を減らせることがあります。
ただ、分類を毎回直すのが面倒だったり、口座を連携することに不安を感じたりする方もいるでしょう。
アプリが合わないなら、無理に使う必要はありません。
月末に通帳を見る
カード明細の合計だけ確認する
カレンダーに支払日を書く
ノートに固定費だけ書く
給料日前の残高を記録する
こうした簡単な方法でも、家計管理はできます。
道具よりも、自分が月に一度は確認できる方法を選ぶことが大切です。
毎日ではなく月に一度確認する
家計管理を続けるために、確認する日を決めておくと楽になります。
給料日の翌日、クレジットカードの請求額が確定する日、月末など、自分が忘れにくい日を家計確認の日にしてみましょう。
確認する内容は多くなくて構いません。
今月の収入
固定費の合計
カードの請求額
口座残高
貯蓄へ回せた金額
来月の大きな支払い
10分から15分ほどで確認できる形にしておくと、忙しい月も続けやすくなります。
先月より食費が少し増えていても、それだけで失敗ではありません。行事や体調によって支出が増える月もあります。
1か月ごとの数字に反応しすぎず、3か月ほどの流れを見るようにしましょう。
夫婦や家族で責めない家計管理をする
家族で暮らしている場合、家計を管理している人だけがすべてを把握し、ほかの人は何も知らない状態になることがあります。
これでは、管理している人の負担が大きくなります。
月に一度、現在の残高や今後の大きな支払いを共有するだけでも違います。
ただし、家計の話をするときに、誰が何に使ったかを責める形になると続きません。
「今月使いすぎた人」を探すのではなく、「来月は更新料があるから少し外食を控えよう」など、これからどうするかを話すようにしましょう。
お互いが自由に使える金額を決め、その範囲では細かく口を出さない方法もあります。
少し余白があるほうが、家族での家計管理は続きやすくなります。
節約しても赤字なら収入と大きな支出を見る
食費や日用品を見直しても、毎月赤字が続く場合があります。
そのときは、努力が足りないのではなく、収入に対して家賃やローンなどの固定費が大きすぎる可能性があります。
毎日の小さな買い物だけを責めず、家計全体を見てみましょう。
住まいの費用が収入に合っているか
車を維持する必要があるか
複数のローンや分割払いがないか
保険の保障が重なっていないか
利用できる手当や支援を申請しているか
働き方や収入を見直せる余地があるか
引越しや車の売却などは、すぐに決められることではありません。費用もかかるため、長い目で選択肢を考える必要があります。
自分たちだけでは整理しにくい場合は、相談窓口を利用してもよいでしょう。
世田谷区で家計の相談をしたいとき
生活費や家賃、借金、仕事など複数の悩みが重なっている場合は、ぷらっとホーム世田谷に相談できます。
ぷらっとホーム世田谷では、生活に困っている方が抱えている課題を相談員と整理し、必要に応じて具体的な支援計画を考えます。家計に関する困りごとも相談できます。
また、契約や解約、定期購入などのトラブルは、世田谷区消費生活センターで相談できます。日曜や祝日は、消費者ホットライン188も案内されています。
家計相談は、まったくお金がなくなってから行く場所ではありません。
支払いが増えてきた、来月以降が少し心配、何から整理すればよいか分からない。その段階で相談しても大丈夫です。
続けやすい家計管理のチェック項目
家計を整えるときは、次の項目からできそうなものを選んでみてください。
家計管理の目的を一つ決めた
直近3か月の通帳とカード明細を確認した
支出の分類を細かくしすぎていない
固定費と変動費を分けた
年払いなどの特別費を書き出した
食費や日用品費を週単位で考えた
支払い方法を増やしすぎていない
貯蓄用の口座を分けた
毎月確認する日を決めた
家族と今後の大きな支払いを共有した
全部を一度に始める必要はありません。
今月はカード明細を見る、来月は使っていない定額制サービスを確認する。そのくらいでも、家計は少しずつ分かりやすくなります。
まとめ
家計管理は、毎日細かな記録を続けられる人だけができるものではありません。
通帳やクレジットカードの明細を見て、毎月の収入と大きな支出を把握するだけでも、家計を整える第一歩になります。
世田谷区で暮らす場合は、家賃だけでなく、駅までの移動や車、自転車、子どもの通学なども含めて考えることが大切です。
節約を続けることが苦しくなったら、食費などの細かな支出より、固定費や支払い方法を見直してみましょう。
それでも赤字が続く場合は、自分を責めず、住居費や借り入れ、利用できる支援制度まで含めて家計全体を見る必要があります。
完璧な家計簿を作ることより、月に一度、自分のお金の状態を確認できることのほうが大切です。
少し手を抜いても続けられる方法を選び、今の暮らしに合う家計管理を作っていきましょう。
注記 本記事は一般的な家計管理の考え方をまとめたものです。利用できる公的制度や相談内容は、世帯の状況によって異なります。制度や窓口を利用する際は、世田谷区などの公式情報をご確認ください。