

甲府市で暮らすことを考えたとき、冬の大変さがどれくらいあるのかは気になるところだと思います。山梨県という名前から雪が多そうに感じる人もいますし、逆に内陸だから乾いていて過ごしやすいのではと思う人もいるかもしれません。実際の甲府市の冬は、その中間というより、雪国とは少し違うけれど、寒さと移動の備えはきちんと必要な地域です。
まず、雪についてです。甲府地方気象台によると、山梨県の冬は晴れる日が多く、八ヶ岳方面や西側の山沿い地域を除けば、冬型の気圧配置による雪はまれです。甲府では、1センチ以上の雪が降った日数の年平年値は3.4日で、富士五湖地域の河口湖の13.8日と比べると少なく、甲府盆地は県内でも雪が積もりにくいほうです。つまり、甲府市の冬は毎日のように雪に悩まされるという感じではありません。
ただ、ここで油断しにくいのが、雪が少ないことと冬が楽なことは別だという点です。甲府地方気象台の平年値では、甲府の1月の平均気温は3.1度、日最低気温の平年値はマイナス2.1度、2月の平均気温は4.7度、日最低気温の平年値はマイナス0.7度、12月でも平均気温は5.4度、日最低気温は0.3度です。雪が少なくても、朝晩はしっかり冷え込みます。冬の暮らしで実際に気になりやすいのは、積雪の量よりも、底冷えする寒さや朝の冷たい空気かもしれません。
甲府市の冬が少し独特なのは、晴れる日が多いことです。甲府地方気象台では、甲府盆地は年間日照時間が2200時間を超え、全国的に見ても日照時間の多い地域だと案内しています。冬も晴れの日が比較的多いため、昼間は日差しが入ると少し過ごしやすく感じる日があります。その一方で、朝晩との寒暖差があり、日中の感覚だけでいると、帰宅時や早朝の寒さがきつく感じやすいです。
このため、甲府市で冬の住まいを選ぶときは、雪の多さよりも寒さへの備えを重視したほうが現実的です。たとえば、日当たり、断熱性、窓まわりの冷えにくさ、駐車場から玄関までの動きやすさなどは、暮らし始めてからじわじわ差が出ます。数字だけ見ると雪国ほど厳しくはありませんが、冷え込みを軽く見てしまうと、思ったより冬がつらく感じることがあります。
移動のしやすさについては、雪よりも路面凍結に気をつけたい地域です。山梨県は、冬期の道路について、積雪や路面凍結が予想される場合に凍結防止剤の散布や除雪を行う一方で、それでも安全に走行できるとは限らないと案内しています。また、坂道、カーブ、橋の上、トンネル出入り口は特に注意が必要とされています。甲府市内だけでなく、周辺へ車で移動する人は、雪が少ないから大丈夫と考えすぎないほうが安心です。
車を使う暮らしでは、冬タイヤの準備も考えておいたほうがよさそうです。山梨県は、大雪予報時の不要不急の外出を控えることや、やむを得ず外出する場合は冬用タイヤやタイヤチェーンの準備を呼びかけています。甲府市そのものは毎年深い雪に覆われる地域ではありませんが、通勤や買い物、家族の送迎で朝早く動く人や、少し標高の高い方面へ行くことがある人は、冬装備をしておいたほうが安心感があります。
では、徒歩や公共交通で暮らす人にとって冬はどうかというと、こちらも極端に不便というわけではありません。ただ、朝の冷え込みが強い日や、まれに雪が降った日には、足元の冷たさや滑りやすさが気になりやすくなります。甲府市は冬の晴天が多い分、昼間は動きやすい日もありますが、朝晩の移動は服装や時間の余裕を見ておいたほうが楽です。雪国ほどの装備まではいかなくても、冷え対策は必要です。
まとめると、甲府市の冬は、雪が多くて毎日大変という地域ではありません。1センチ以上の雪が降る日の平年値は3.4日で、県内でも比較的雪は少ないほうです。けれど、1月の日最低気温平年値はマイナス2.1度で、朝晩の冷え込みはしっかりあります。車移動では路面凍結への注意が必要で、住まい選びでも断熱性や日当たりを見ておいたほうが、暮らしやすさにつながります。甲府市の冬は、雪国の大変さとは少し違いますが、寒さと移動への備えはきちんとしておきたい冬と言えそうです。